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Sweets News
洋菓子のフーケが再出発 神戸スイーツの老舗、経営破綻から5年 創業者長男・次男 「半熟カステラ」土産用に

神戸空港の土産物売り場に復刻したフーケの半熟カステラを搬入する上野力さん(右)と浩之さん=神戸市中央区

 神戸の山手などに「西洋菓子処(どころ)」と名付けた店舗を構え、デートスポットとしても人気だった洋菓子のフーケが、2014年に約8億円の負債を抱えて経営破綻して5年。創業社長上野庄一郎氏(故人)の長男力さん(46)と次男浩之さん(42)の2人が、かつての味を再現した土産用ケーキを手掛ける新会社の役員として再出発している。

 フーケは1970年創業の神戸スイーツの老舗。庄一郎氏は、優れた職人技術を持つ「神戸マイスター」の認定を受け、兵庫県洋菓子協会の副会長も務めた。  路面店のみで手作りにこだわる経営を続けていたが、1995年1月の阪神・淡路大震災で全半壊した5店舗の復旧や、百貨店への出店拡大に伴う借り入れが重荷に。バターなどの原材料高やコンビニエンスストアによるスイーツ販売などの競争激化も響き、行き詰まった。14年10月末に営業を停止し、自己破産した。
 新会社「神戸マイスター洋菓子倶楽部」(神戸市中央区)は、フーケと取引があった保険代理業の尾庭靖男さん(49)らが「ブランドを残そう」と資金を出し、16年7月に設立した。尾庭さんが社長に就き、上野さん兄弟がそれぞれ取締役として企画、営業を担う。
 2人はフーケで役員を務め、庄一郎氏を補佐していた。地元での再挑戦について「大きな決心。迷惑をかけた事業者の声は厳しい」と表情を引き締める。
 商品は、生地の一部にとろりとした食感を残す「半熟カステラ」と、軽い口当たりのロールケーキの2種類を復刻した。2人とも職人ではなく、岐阜県羽島市で開業している元従業員と、大阪府泉大津市の食品業者に製造を委託している。
 庄一郎氏は、味や食感を再現する指導に当たった後、17年10月、急性白血病のため73歳で亡くなった。業績の立て直しを巡って度々けんかしたという浩之さんは、「倒産後に住むところがなくて同居したとき、家庭用のオーブンで焼いてくれるケーキがおいしかった。再出発の原点」と話す。
 百貨店の催事などで営業を始め、神戸、大阪(伊丹)両空港や神戸周辺のサービスエリア、ゴルフ場の土産物売り場などに販売を広げた。神戸市営地下鉄・新神戸駅の構内に直営店を設けている。フーケの店でデートした思い出話で盛り上がるなど、往時を懐かしむ好意的な反応が思いのほか多かったといい、売上高は3年目の19年5月期に5千万円を超えた。20年5月期は1億円を目指す。
 洋菓子業界ではフーケの経営破綻後も、18年に神戸や明石で店舗展開していたモンブラン(神戸市西区)が破綻。楽観できない状況が続く。2人は新会社の経営の安定と業容の拡大を目指し、「焼き菓子の製造や、アジア各国での販売も目指したい」としている。

(2019年12月11日神戸新聞掲載)

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