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こだわりのジェラートを作った伊藤靖昌さん(左)と妻の美喜さん=明石市藤江 |
明石市内では数少ない若手酪農家、伊藤靖昌さん(28)=明石市藤江=が、搾りたての生乳を原料にしたジェラート店「ぐらなーと」を牛舎隣にオープンさせた。甘さ控えめで、牛乳の風味を生かした味が特徴。「明石の酪農のPRにつなげたい」と張り切っている。
かつて市内に約120軒あった酪農家は、大規模化の流れや飼料代高騰などの影響で、現在は6軒にまで減少。藤江地区では、伊藤さんの実家を残すのみとなっている。
伊藤さんは小さい頃から作業を手伝い、県立農業高校を卒業後、父利成さん(68)の下で働き始めた。現在は乳牛35頭を飼育し、1日約1トンの生乳を出荷している。
生乳を使ったジェラートの製造・販売は、妻の美喜さん(27)と結婚した2010年ごろから計画してきた。ジェラートを商品化している三木市や朝来市和田山町の牧場を夫婦で訪ね歩き、製造法や必要な設備などを学んだ。
今年3月、念願の店舗が完成。主に美喜さんが試作に取り組んだ。主力商品の「ミルクジェラート」は、熱処理される前の風味豊かな生乳を原料に使い、牛乳らしい味わいが感じられるよう砂糖は控えめにした。「あっさりとした飽きない味」を追求し、開発には1カ月を費やした。
ほかにもハチミツや抹茶、地元明石産の「清水いちご」を使ったイチゴ味など10種類の味を用意。店は5月から開業し、滑り出しは好調という。
伊藤さんは「消費者と直接ふれあえるのが新鮮で生産者としてのやる気につながる。こだわりの味を楽しんでほしい」と話している。希望者には牛舎の案内もする。
シングル320円、ダブル400円、カップアイス300円。ぐらなーとTEL078・778・0930
(2013年6月8日神戸新聞掲載)
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