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3カ月の熟成を経て蔵出しされたシュトーレン=朝来市生野町小野 |
養父市の洋菓子製造販売「カタシマ」(同市小城)は18日、国史跡・生野銀山(朝来市生野町小野)の坑道内で8月から熟成させていたドイツの伝統菓子「シュトーレン」を蔵出し≠オ、観光客らにふるまった。(竹本拓也)
ドイツ語で「坑道」の意味を持つというシュトーレンは、パン生地にイチジクやレーズン、オレンジピールなどを加えた焼き菓子。完成後、溶かしバターに生地全体を浸し、粉砂糖をまぶす。トンネルのような形で、欧州では、11月下旬からクリスマスに向け、少しずつ切って食べる習慣がある。
同社は昨年、坑道内での熟成を試験的に実施したが、市販は今年が初めて。8月19日に金香瀬(かながせ)坑道入り口から400〜500メートルの坑道内に200本を貯蔵した。年間13度に保たれた坑内での熟成で、しっとりとした食感となり、ドライフルーツのうまみがゆっくりと引き出され味が複雑に重なり合うという。
式典で、生野銀山を管理運営するシルバー生野の粟屋勝之社長(64)が「銀山の1200年の歴史と職人の高い技術、ドイツの伝統が見事にマッチした逸品。但馬のイメージアップにつなげたい」とあいさつ。その後、一口サイズに切られたシュトーレンが観光客らにふるまわれ、熟成前と後で味がどう変化したか食べ比べていた。
長さ約23センチで3800円。豊岡、養父、朝来、京都府福知山市にある同社の4店舗と、生野銀山土産館で計200本が販売される。カタシマ養父本店TEL079・664・0351
(2011年11月19日 神戸新聞掲載)